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料理術の精神
ある美術史家の食卓
書籍情報
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ルーモール 著
中山典夫 訳
四六判上製カバー装・本文304頁
刊行年月 2016年1月
ISBN 978-4-8055-0749-0
書籍詳細
『イタリア研究』で著名な19世紀ドイツの美術史家カール・フリードリヒ・フォン・ルーモール(1785-1843)が、彼のお雇い料理人の名で著した本書は、ブリア=サヴァランの有名な『美味礼讃』より3年早く刊行(1822年)された。
サヴァラン流の濃厚な料理ではなく、現在主流の日本料理ともつながる素材の味を活かしたエコロジーなヌーヴェル・キュイジーヌ(新しい料理法)の源泉ともなった。
各章ごとに紹介される多くのレシピの一家言ある調理法はもとより、料理術が生きることに結びついた芸術であること、その芸術の永遠の基本をはずさないアカデミックな料理人としての心得、また料理と芸術に共通する様式形成のアナロジー、料理本が数多く出版された当時の文化史的考察、台所から見た社会風刺、文明人としての食卓のマナー、子供のしつけ、理想的なメニューなどを語る。
今日だからこそ大いに共感を呼ぶ、美味求心を通じて、生きることの叡智にたどり着く、知られざるロングセラーである。