諸学芸の位階論争
オスカー・ベッチュマン/トリスタン・ヴェディゲン 編
清瀬みさを/小松原郁 訳
A5判上製カバー装
本文364頁
15世紀初頭から16世紀半ばにかけてのルネサンス期、イタリア美術界で絵画を中心に美術と学問、絵画と彫刻、美術と文学との優劣比較をめぐり熾烈を極めた論争、「パラゴーネ」(諸学芸位階論争)。
それは、空虚な観念論ではなく、美術家たちがしのぎを削った革新的な創作活動を通じて、美術各分野の存在根拠を問う、実存的な探究であった。美術家の社会的地位向上と「美術」という概念の形成を導いた西洋美術史の結節点となるパラゴーネ論争調停の要、ベネデット・ヴァルキ(1503-1565)の論著、初の完訳。